「英検4級の合格点は何点なんだろう」「何問できていれば合格なのか、はっきり知りたい」——申し込む前、あるいは試験が終わって結果を待つ時期に、小学生の保護者の方の多くがこの疑問にたどりつきます。
検索すると、622点という数字はすぐに見つかります。ところが、その先がサイトによってばらばらなのです。「これだけ正解できれば合格の可能性が高い」と正答数で言い切っているページもあれば、合格率らしき数字を載せているページもあります。読むほどに、どれを信じればよいのかわからなくなってくるはずです。
この記事では、英検協会が公表していることと、公表していないことを分けて整理します。622点が何の点数なのか、なぜ正答数からの換算が出てこないのか、「各技能6割程度」という目安をどう使えばよいのか。そして結果が届いたあと、成績表のどこを見て、次に何をすればよいのか。お子さんの受験に付き添う保護者の方に向けて、順に説明していきます。
結論:合格基準スコアは1000点満点中622点。正答数からの換算は非公表
英検4級の合格点は、正式には合格基準スコアと呼ばれ、1000点満点中622点です。この値は回によって変わらない。
ただし、622点は答案の正解数(素点)そのものではないのです。英検協会は素点からスコアへの換算を明らかにしておらず、正答数からの換算は公表されていません。だから「これだけ正解できれば合格」と1問単位で言い切れる答えは、どこにもない。
手がかりになるのは、英検協会が示している各技能6割程度という正答率の目安です。合否はリーディングとリスニングを合わせたスコアで判定され、スピーキングテストの結果は4級の合否に入らない。
結果が届いたら、合計より先に技能別スコアを見る。ここから先は、そのしくみと読み方を順に見ていきます。
英検4級の合格点622点は、何の点数なのか
リーディング500点とリスニング500点、合わせて1000点満点
英検の成績は、英検CSEスコアという共通のものさしで表されます。4級の一次試験では、リーディングに500点、リスニングに500点。合計1000点満点のうち622点以上が合格という判定になるわけです。
ここで押さえておきたいのが、この数字が答案の正解数ではないという点。何問合っていたか(素点)は、いったん英検CSEスコアに変換されてから合否の判定に使われます。素点とスコアは別の目盛りだと考えてください。
呼び方も整理しておくと、検索でよく使われる「合格点」は読者側の言葉で、公式の名称は合格基準スコアです。この記事でも、値を添えるときは合格基準スコアと書きます。試験の全体像や出題の形式は、英検4級の全体ガイドにまとめてあります。
622点は、回によって変わらない
英検協会は、各級の合格基準スコアは固定されている、と説明しています。この基準は過去の英検のテスト結果から算出されたもので、回ごとに上下することはない。
受験する側から見ると、ありがたい性質でもあるのです。違う回に受けた結果どうしを、同じ数値で比べられるから。「今回は難しかったから合格ラインが下がるらしい」という類の話は、英検4級には当てはまりません。
5級の合格基準と並べると、上がっているのは得点率
5級の一次試験は850点満点で、合格基準スコアは419点。満点に対する割合になおすと約49%です。いっぽう4級は1000点満点の622点なので、約62%です。
つまり級が上がると、問題そのものが難しくなるだけでなく、合格に必要な割合まで上がるわけです。5級のときの感覚をそのまま持ち込むと、ここでずれが出ます。5級の合格点については英検5級のレベルと合格点で扱っています。級ごとの進め方を確かめたいときは、英検5級のガイドもあわせてどうぞ。
スピーキングテストの結果は、合否に入らない
英検4級の級認定は、リーディングとリスニングの一次試験の合否だけで判定されます。4級には録音式のスピーキングテストも用意されていますが、これは一次の合否に関係なく受けられるテストで、結果の判定も別です。
スピーキングテストは500点満点で、合格基準スコアは324点。一次の622点とはまったく別のものさしになります。「話す力で点を稼いで4級に合格する」という組み立ては、4級では成り立たないのです。スピーキングテストの結果は、一次の合否とは切り離して受け止めてください。
「何問正解すれば合格?」に英検協会が答えていない理由

正答数と合否を結ぶ数字が公式に出てこないのには、はっきりした理由があります。英検協会は合否判定のしくみを公式サイトで説明していて、その説明から読み取れる、押さえておきたいことは3つです。保護者の方の言葉に置き換えながら、順に見ていきましょう。
技能ごとに、スコアが均等に配られている
リーディングとリスニングでは、そもそも問題数が違います。それでも英検CSEスコアの配分は、問題数に関係なく技能ごとに均等です。
結果として、問題数の多い技能では1問あたりのスコアへの影響が小さくなり、少ない技能では大きくなるのです。ただし同じ技能の中であれば、どの問題に正解しても影響は同じ。「リーディングの1問とリスニングの1問は同じ重さ」という前提が、最初から成り立たないことになります。
同じ正答数でも、回によってスコアが変わる
スコアは、その回の全答案を採点したあとに、統計的な手法を使って算出されます。だから同じ正答数だったとしても、回が違えばスコアは同じにならない。問題の難しさが回ごとにばらつくぶんを、ここで吸収しているわけです。
裏を返すと、受験した人が自分の正答数からスコアを割り出すことはできない、ということでもあります。
だから、正答数からの換算表は公式には存在しない
この2つから導かれるのが3つめ、受験者が自分の正答数でスコアを算出することはできない、という説明です。英検協会自身が公式サイトでそう述べています(英検CSEスコアでの合否判定方法について)。
ネット上には、正答数と合否を結びつけた表がいくつも出回っているのが実情です。けれども、もとになる換算の式が公表されていない以上、どれも各サイトの推測にならざるをえません。数値の対応表を作らないのが、えいごの実の方針です。表があれば読みやすくはなるでしょう。それでも作らないのは、根拠のない数字が家庭の判断材料になってしまうからです。
ここは誤解されやすいところなので、もう少し補っておきます。換算表が説得力を持って見えるのは、満点と基準スコアの割合を出して、それを問題数にかけ算すれば「それらしい数」が作れるからです。けれども、技能ごとに均等に配分されることは公表されていても、素点をスコアに直す計算そのものは公表されていません。式の途中が空欄のまま答えだけが出ている状態なので、数として扱わないほうが安全でしょう。
「何問まで間違えても大丈夫なのか」という問いへの答えも、まったく同じ形になります。間違えてよい上限の数も、やはり公表されていません。数の上限を探すより、正答率の目安のほうを手がかりにするとよいでしょう。
「各技能6割程度」という目安を家庭でどう使うか

この目安は、どこから来ているのか
出どころは、英検協会の公式サイトにある合否判定の説明です。2016年度第1回の一次試験を振り返り、2級以下では各技能6割程度の正答率だった受験者の多くが合格した、と書かれています。よく引用される「6割」は、この一文から来ています。
注意したいのは、この6割が合否の基準として決められた数字ではないという点。622点は判定に使われる固定の基準で、6割のほうは結果を振り返って見えてきた傾向です。ふたつは役割が違う。
家庭での目標の置き方としては、どちらの技能もおよそ6割を下回らないところまで持っていく、という言い方がもっとも実務的でしょう。1問単位の計算に踏み込むほど、根拠のほうは薄くなっていきます。
リーディングが弱くても、リスニングで取り返せるのか
質問サイトでよく見かける問いです。合否はリーディングとリスニングを合わせた英検CSEスコアで判定されるので、形のうえでは、片方の高さがもう片方を補う場面もありえるわけです。
ただし英検協会は、合格するためには技能のバランスが重要になる、とも説明しています。極端に傾いた状態でも通るのかどうかを、ここで言い切ることはしません。筆記(リーディング)だけ、あるいはリスニングだけを捨てる前提の対策はすすめられない。それが実務的な答えになります。
もうひとつ、6割という言い方には落とし穴があります。正答率は解いた回によって上下するので、一度の練習で6割に届いたからといって、それが実力の位置とは限らないのです。同じ形式で何回か測ってみて、下ぶれしたときの数字がどのあたりかを見ておくほうが、判断としては確かになります。
「10問中6問」は、教室の声かけとしての目安
えいごの実では、子どもに目標を伝えるとき、まずは10問中6問、という具体的な数で言うようにしています。英検協会の「各技能6割程度」とは別のもので、こちらは日々の練習で手が届く目標として使っている言い方です。
協会の目安は合否の傾向を説明したもの、教室の声かけは今日の練習をどう進めるかの話。混ぜずに使い分けたほうが、お子さんにも伝わりやすいはずです。
いま家庭で現在地を測る方法は、英検4級のレベルと何年生の目安にくわしく書いてあります。過去問の使い方も同じページです。先に現在地を確かめてから、ここへ戻ってきてください。
小学生の合格率と「落ちる確率」は非公表。代わりに手元で見る2つの材料
級ごとの合格率と、受験者の学年の内訳。この2つを、英検協会は公表していません。検索で見つかる合格率らしき数字は、各社が独自に推定したもの。推定には推定の使い道がありますが、公式の統計と同じ重さで受け取ることはできません。
「小学生が英検4級に落ちる確率」という問いも、検索ではよく見かけるものです。先に答えを言うと、その確率にあたる数字は公表されていないので、どこを探しても出てきません。学年別の受験者数や合格者数が出ていない以上、計算のしようがありません。
代わりに手元にある材料は2つ。ひとつは、公式サイトで公開されている過去問を1回分解いたときの手ごたえ。もうひとつは、受験後であれば成績表の技能別スコアです。どちらもお子さん本人のものなので、平均や確率よりずっと役に立つ数字です。過去問の入手と使い方は、英検4級の過去問の出題傾向と使い方にまとめてあります。
そして、受ける前から確率を気にしすぎないことも大切でしょう。不安を口にする保護者の方に、えいごの実が教室で伝えてきたのは「受けることが大切。受からなくても、経験することがまず第一歩。」という言葉です。申し込みを迷う日には、この一文をそのままお子さんに伝えてみてはどうでしょうか?
成績表の見方——どの数字を見ればいいのか
結果は、ウェブでの合否確認から届く
結果はまずウェブで合否が公開され、そのあとに成績表が届きます。順番はこの2段階。公開日と必着日は回ごとに決まっているので、あとでまとめて触れます。
成績表に載っているもの
成績表には、合否に加えて、英検CSEスコアの総合スコアと技能別スコアが表示されます。あわせて、合格ラインまでの距離がわかる「英検バンド」という表示も載る。
4級ではCEFRのレベルは表示されません。4級と5級はCEFRの算出範囲外だからです。書籍やサイトで見かける「4級はCEFRのこのあたり」という対応づけは、英検の成績表の運用とは別のものだと考えておいてください。TOEICなどへの公式な換算も存在しないのです。
スピーキングテストを受けた場合、その成績は一次の結果とは別の扱いです。
見る順番は、技能別スコアが先
合計のスコアをまず見たくなるはずです。けれども次の一手につながるのは、技能別のほうです。リーディングとリスニングのどちらが低いのか。そこがわかったら、公式サイトで公開されている過去問を使って、その技能のどの大問でつまずいたのかまで下ろしていきます。
合格ラインまでの距離の読み方も、これと同じです。あと少しだったのか、まだ開きがあるのか。それによって、次の受験までにかける時間の見積もりが変わってくるからです。
もうひとつ、成績表を見るときに気をつけたいことがあります。技能別スコアは、その回の出来ばえを表した数字であって、お子さんの英語力そのものの評点ではないという点。低かった技能は「これから伸ばす場所が見つかった」と読み替えたほうが、次につながります。数字を前にした子どもの受け取り方は、隣にいる大人の第一声でかなり変わるものです。
なお、合否の確認方法や成績表の細かい表記は、年度によって変わることがあります。最新の案内は英検協会の公式サイトで確かめておくと確実でしょう。

結果を受け取ったあと、次に何をするか
合格していたら:4級はゴールではない
まずは思いきりほめてあげてください。そのうえで、次の一段の話になります。
えいごの実では、小学6年生までに英検3級、という目安を置いています。置いている理由は2つ。中学受験で使える場合があること、そして中学校の学習内容に前もって触れられることです。中学に上がると部活動が始まり、教科ごとの負担も増えていく。小学生のうちは時間にも気持ちにもゆとりがあるので、その時期に土台をつくっておく、という考え方です。
3級になると、文法では現在完了・受動態・関係代名詞が加わります。そこに書く問題と面接が入ってきて、試験の形そのものが4級までとは変わります。3級については、これから記事を足していく予定です。
ひとつ補足すると、5級・4級・3級を必ず順番に受けるわけでもありません。お子さんの英語力と伸び方によっては、途中を飛ばすこともできます。
合格に届かなかったら:分析の材料として使う
不合格という結果は、それ自体が情報です。教室にも、4級で一度届かなかった生徒が、その悔しさを前向きなエネルギーに変え、苦手分野を分析し、弱点を一つずつ克服していった例があります。
やることは、次の3つの順番です。
- 成績表の技能別スコアで、弱いほうの技能を特定する
- その技能の問題を解き直し、「なぜ間違えたのか」を1問ずつ確かめる
- 次の回に向けて、そこを重点的に練習する
肝心なのは2つめです。正解を覚え直すのではなく、単語を知らなかったのか、文法の判断を誤ったのか、時間が足りなかったのかを分けていきます。この分け方ができると、次の回につながりやすくなるはずです。
分け方のこつは、間違えた問題の横に短い言葉で理由を書き足すことです。「単語」「時制」「読み落とし」くらいで十分。同じ言葉が何度も並んだところが、次に手を入れる場所になります。
教室で見てきた範囲でも、合格していく子とそうでない子の差は、ここに出ます。諦めずに続けられるか。家で勉強する習慣があるか。この2つが、合否の分かれ目になりやすいところです。
形式の土台をもう一度確かめたいときは、英検5級の無料問題で解く手順に慣れ直すのもひとつの方法。レベルの見立てを立て直すなら、英検4級のレベルと何年生の目安が手がかりです。4級全体の流れは英検4級の全体ガイドから確認できます。
大問4の読み方から立て直すなら、英検4級の無料問題(長文編・第1回)。本番と同じ形式の長文を10問、答えと解説つきで解けます。
次に受けられるのはいつか
英検は年3回あります。2026年度でいうと、第2回検定(10月)の結果はウェブ合否公開日が10月26日、成績表必着日が11月4日。次の機会は第3回検定(1月)で、一次試験日は2027年1月24日、個人の申込受付は12月14日までです(コンビニ・郵便局ATMでの支払いを選ぶ場合は12月11日まで)。
日程や締切は年度によって動くため、申し込む前に公式サイトで必ず確かめましょう。
なお、準会場の団体申込で受けて不合格だった場合に、次回と次々回に同じ準会場で同じ級を無償で再受験できる制度もあります。本会場や個人申込は対象外です。条件は変わることがあるので、最新の条件は公式サイトで確かめてください。

よくある質問
- Q. 英検4級の合格点は何点ですか?
-
合格基準スコアは1000点満点中622点です。リーディング500点とリスニング500点の合計で判定され、この基準は回によって変わりません。
- Q. 何問正解できればいいのか、目安はありますか?
-
正解した問題数からの合格ラインは、英検協会が公表していません。素点からスコアへの換算も明らかにされていないため、1問単位で言い切れる答えはないのです。目安として使えるのは、英検協会が説明している各技能6割程度という正答率のほうになります。
- Q. リーディングとリスニングは両方とも6割必要ですか?
-
合否はリーディングとリスニングを合わせたスコアで判定されるので、片方が6割に届かなければ即不合格、という決まりにはなっていません。ただし英検協会は、合格するためには技能のバランスが重要になると説明しています。どちらかを捨てる前提の対策は、現実的ではないでしょう。
- Q. 合格点は年や回によって変わりますか?
-
変わりません。合格基準スコアは固定されていて、過去の英検のテスト結果から算出された値が使われます。難しい回だから基準が下がる、ということは起こらないのです。
- Q. スピーキングテストの結果は合否に関係しますか?
-
関係しません。英検4級の級認定は、リーディングとリスニングの一次試験の合否だけで判定されます。スピーキングテストは一次の合否に関係なく受けられるテストで、結果は別に判定されるものです。
- Q. 英検4級にライティングはありますか?
-
ありません。英検4級で測られるのはリーディングとリスニングの2技能で、英作文の問題は出題されないのです。「4級のライティングの合格点」を探してたどりついた場合は、3級以上の情報と取り違えている可能性があります。
- Q. 落ちたら次はいつ受けられますか?
-
英検は年3回実施されるので、次の回で再挑戦できます。申込の受付期間は回ごとに決まっているため、成績表が届いたら早めに次の回の日程を確認しておくと動きやすくなるはずです。
まとめ
ここまでの内容を、5つに整理します。
- 合格点は合格基準スコア622点(1000点満点)。リーディング500点・リスニング500点の合計で判定され、回によって変わらない固定値
- 正答数からの換算は公表されていない。技能ごとにスコアが均等に配分されること、回ごとに統計的な手法で算出されることから、自分の正答数でスコアを出すしくみになっていない
- 「各技能6割程度」は目安であって合格ラインではない。どちらの技能も6割を下回らない状態を目標に置き、1問単位の計算には踏み込まない
- 成績表は技能別スコアから読む。合計より先に弱いほうの技能を見つけ、過去問の大問別の手ごたえまで下ろす
- 結果のあとに次がある。合格したら小学6年生までに3級を見据え、届かなかったら「なぜ間違えたのか」を分けて次の回へ
正答数の計算に時間を使うより、公式サイトの過去問を1回分、時間を計って解いてみるほうが早道です。そこで出た技能ごとの手ごたえが、次に何をすればよいかを教えてくれます。まずはその過去問から始めてみてください。

