「うちの子の英語、家でどう教えればいいんだろう」「ドリルは買ったけれど、結局何から手をつければいいのかわからない」——お子さんの英語の家庭学習について、そんなふうに迷うお父さん・お母さんは、本当に多いです。
ネットで調べても、出てくるのはスクールやオンライン英会話の紹介ばかり。「お金をかけないと無理なの?」とモヤモヤした経験、ありませんか?
でも、心配はいりません。
小学生の英語は、塾やスクールに通わせなくても、家庭でしっかり伸ばせます。大切なのは、たった3つ。①学年に合った順番でやる ②毎日少しずつ続ける ③「英検5級」という見えるゴールを置く——これさえ押さえれば、家庭学習は驚くほど回り出すんです。
この記事では、学年別に「何を・どうやるか」を整理し、聞く・読む・語彙・話すを家庭で育てるコツ、英検5級を据える進め方までご紹介します。
まずは安心してください。小学校の英語は今こうなっています
「英語の家庭学習」と聞くと身構えてしまいますが、その前に「学校の英語が今どうなっているか」を知っておくと、家でやるべきことがすっと見えてきます。

今の小学校では、3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で教科としての「外国語(英語)」を学ぶ形。2020年度から全国でこの形が本格化しました(参考:文部科学省「小学校学習指導要領」)。いつから英語が始まるのか気になる方も多いはずですが、英語に触れ始めるのは3年生から、というのが今の標準です。
大きな違いは、成績のつき方。3・4年生の外国語活動は「英語に親しむ」ことが目的で、通知表に数字の評定はつきません。歌やゲームを通して、英語の音や簡単なあいさつに慣れる時間、というイメージ。一方、5・6年生になると英語が正式な教科になり、テストや成績がつくようになります。「聞く・話す」中心だった英語に、「読む・書く」の要素が少しずつ加わってくるのも高学年の特徴。
ここで多くのご家庭がぶつかるのが、「学校の授業だけで足りるの?」という不安です。正直にお伝えすると、学校の時間数だけで英語が得意になる子は、そう多くありません。授業は週に1〜2コマ程度。しかも地域や学校によって進み方に差があり、先生によっても教え方はさまざま。聞く・話すに触れる時間は以前より増えましたが、それでも「英語をたっぷり浴びる」には足りないのが実情です。
「そもそも、英語の家庭学習っていつから始めればいいの?」——そんな声も、よく耳にするもの。結論から言えば、英語を始めるのに「早すぎる」も「遅すぎる」もありません。低学年なら歌や音から、中学年なら聞く・話すから、高学年なら読み書きと英検へ。入り口が学年で少し違うだけのことなんです。すでに高学年でも、何も遅くはありません。今からでも、できることはたくさん。大切なのは、思い立った今日から、ほんの少しずつでも続けていくこと。この記事を開いた今日こそ、お子さんにとっての始めどきです。
だからこそ、家庭でのちょっとした積み重ねが力になってくる。週1〜2回の授業より、毎日5分の家庭学習のほうが、1年間のトータルでは英語に触れる時間がずっと長くなるんです。学校の英語が「成績がつくもの」へと変わる5・6年生を見据えて、低学年・中学年のうちから家で英語に親しんでおく。そうすれば、教科化のタイミングでも慌てずにすみます。そして学校英語の到達点の先には、英検という「目に見える物差し」も待っているんです。これについては、記事の後半でじっくりお話しします。
学校のテストや成績との向き合い方については、小学生の英語テスト対策のコツでくわしくまとめました。
なぜ「家庭学習」が英語の伸びを左右するのか
学校に通っていて、スクールも検討しているのに、どうして家庭学習(自宅学習)がそんなに大事なんでしょうか。
理由はシンプル。英語は「触れる回数」がものを言うから。さきほども触れたように、週1回のレッスンより、毎日5分の積み重ねのほうがトータルの接触時間ははるかに長くなります。英語は、特別な日に集中してやるより、毎日少しずつ触れているほうが定着しやすい教科なんですよ。
家庭学習を続けるメリットは、英語の力が伸びることだけにとどまりません。毎日の小さな「できた」の積み重ねは、そのまま「英語って好きかも」という自信の種に。さらに、学校で英語の授業が始まれば、家庭でやってきたことがそっくり予習・復習を兼ねてくれます。そして何より大きいのが、中学英語をスムーズにスタートさせる準備になること。中学に入ってから英語につまずく子の多くは、小学校の英語を「なんとなく」で通り過ぎてしまった子。今のうちに「英語は怖くない」という感覚さえ育てておけば、それが後々いちばん生きてくる財産になるんです。
そしてもう一つ、家庭学習には見逃せないメリットがあります。それは「苦手の芽を、小さいうちに摘める」こと。英語につまずく子の多くは、ある日突然できなくなるわけではありません。「単語が読めない」「なんとなく難しそう」という小さな引っかかりが少しずつ積み重なって、いつしか「英語きらい」に育ってしまう。家でお子さんの様子を毎日見ているお父さん・お母さんなら、その芽を早めに見つけて、ほめながら取り除いてあげられます。これは、週1回のスクールでは難しいことです。
えいごの実のレッスンでも、まず大切にしているのは「英語を嫌いにさせないこと」。文法から入ると「難しそう」と身構えてしまう子も、好きな歌やクイズからなら「やってみたら分かった」という小さな成功体験を作りやすいんです。家庭学習も同じ。最初から完璧を求めず、「できた!」を一つずつ積み重ねていくことが、結果的にいちばんの近道になります。
教室で長年子どもたちを見てきて見えてくるのは、英語がぐんぐん伸びる子の共通点。それは「楽しんでいる」ことと「家でも英語に触れている」ことです。逆に、つまずきやすいのは、途中で諦めてしまう子や、家ではまったく英語に触れない子。つまり、ご家庭で英語を「楽しいもの」として根づかせておくことが、どんな高価な教材よりも活きてくるんです。スクールに通わせれば安心、と思いがちですが、土台を作るのはやはり日々の家庭。お子さんが「英語っておもしろい」と興味を持てる環境を、家の中に少しだけ用意してあげましょう。
すでに「英語ぎらい」が始まっているかも、と感じている方は、英語が嫌いな小学生への接し方もあわせて読んでみてください。家庭でできる声かけのヒントをまとめています。
学年別ロードマップ:何を優先すればいい?
「家庭学習が大事なのはわかったけれど、うちの子の学年では何をやればいいの?」——ここが、いちばん気になるところでしょう。小学生といっても、1年生と6年生では発達段階も興味もまるで違います。学年ごとに、優先することを整理しました。

低学年(1〜2年生):英語の「音」に親しむ
この時期は、意味を完璧にわからせようとしなくて大丈夫。歌やかけ流しで、英語の音とリズムに「慣れる」ことだけを目標にしましょう。体を動かしながら歌える曲や、繰り返しの多い童謡がぴったりです。
低学年でやりがちな失敗は、いきなりアルファベットの書き取りや単語の暗記をさせてしまうこと。これだと「英語=つまらない作業」という印象がついてしまいます。この時期はとにかく、英語の音をたっぷり浴びることが基礎づくりの中心。「お勉強」にしないのがコツです。お子さんが知らないうちに歌を口ずさんでいたら、それが立派な進歩のサイン。
中学年(3〜4年生):聞く・話すに慣れ親しむ
3年生から学校で外国語活動が始まります。色・数・動物・あいさつなど、学校で習う基本の言葉を、家でも歌や簡単なやりとりで触れておくと、授業の予習・復習を兼ねられて一石二鳥。「How are you?」「I’m happy!」のような短い会話を、親子で言い合ってみるのもおすすめです。
日本語の理解もぐっと進む時期なので、「この英語、どういう意味だと思う?」と問いかけてみてください。自分で考えて当てる楽しさが、英語への興味をさらに広げてくれます。基本の単語や言い回しに「聞いて・話して」慣れておくと、高学年で読み書きが入ってきたときの土台になります。
高学年(5〜6年生):読み書きと、中学準備
5年生から英語が「教科」になり、6年生はもうすぐ中学校。この時期は、聞く・話すに加えて、読む・書くを少しずつ増やしていきます。アルファベットや簡単な単語を「読めて、意味がわかる」状態をまず目指しましょう。書くのはそのあとで十分。読めるようになると、英語の世界がぐっと広がります。
そして高学年でぜひ検討したいのが、英検5級へのチャレンジです。目標があると、家庭学習にぐっと張りが出ます。「中学に向けて、何か一つ自信になるものを」と考えているなら、英検5級は手の届きやすい目標。詳しくは次の章でご説明しますが、高学年は英語学習に具体的なゴールを持たせる、ちょうどいいタイミングなんです。
中学に上がると、英語は一気にスピードアップします。アルファベットの読み書きや基本のあいさつが「できている前提」で授業が進むため、ここでつまずくと苦手意識が一気についてしまう——いわゆる「中1ギャップ」です。だからこそ高学年では、あれもこれもと手を広げるより、アルファベットの大文字・小文字、身近な単語、be動詞の文といった土台を、ぐらつかない形で固めておくこと。背伸びした難しい教材は必要ありません。この「土台の確かさ」こそが、中学スタートでいちばん生きてきます。
4つの力を家庭で育てる具体的なやり方
ここからが家庭学習の中心です。英語の力は、大きく「聞く・読む・語彙(単語)・話す」の4つに分けられます。それぞれ、家庭で何を・どうやるかを具体的に見ていきましょう。すでに公開している記事へのリンクも置いておくので、気になるところから深掘りしてみてください。

4つの力には、取り組む順番のゆるやかな目安があります。まずは「聞く」で英語の音に慣れ、「読む」で文字と音をつなげ、「語彙」を少しずつ増やしながら、最後に「話す」で実際に使ってみる——大まかには、この流れがいちばん自然。とはいえ、きっちり順番どおりに進めなければいけない、というわけではありません。お子さんが食いつくものから手をつけて構いません。4つを行ったり来たりしてもOK。あまり気負わず、少しずつバランスよく回していくくらいの気持ちで大丈夫です。
① 聞く・発音:本物の「音」からはじめる
英語の家庭学習で、まず取り入れたいのが「聞く」こと。歌やラジオで、英語の本物の音にたくさん触れさせてあげましょう。
えいごの実では、英語の第一歩を「本物の音」から作ることを大切にしています。日本語の発音に置きかえた読みではなく、英語そのものの音で耳を慣らしておく。すると、後で単語を覚えるときにも「あ、あの音だ」とすっとつながるんです。だから家庭でも、読みをカタカナで教えるより、歌やネイティブの音声をかけ流すほうがずっと効果的。発音は、理屈で教わるより、本物の音をたくさん浴びるなかで自然と身についていくもの。
リスニングには、もう一ついいところがあります。選択肢が少なく、絵のヒントもあって取り組みやすいので、「英語って意外といけるかも」という最初の自信につながりやすいこと。最初の成功体験を作るうえで、聞くことから入るのは理にかなっています。
家庭での具体的なやり方は、難しく考えなくて大丈夫。朝の支度中や車での移動中に、英語の歌をBGMのように流すだけでも立派な家庭学習です。子ども向けの英語の歌、NHKのラジオ英語番組は、どちらも手軽で続けやすい定番。最近は、文字と音のルールを学ぶ「フォニックス」を取り入れた歌やアプリも増えています。発音をゲーム感覚で練習できる学習アプリを、補助として取り入れるのもいいでしょう。大切なのは、毎日少しでも英語の音を耳に入れること。
「でも、親の私が英語の発音に自信がなくて……」——そんな心配は、いりません。お父さん・お母さんが、きれいな発音のお手本になる必要はないんです。大事なのは、正しく言ってみせることより、本物の英語の音を子どもと一緒に楽しむこと。子どもの耳は大人よりずっと柔らかく、流れてくる音を自然と吸収していく力を持っています。歌やラジオ、動画の音声に任せておけば、ネイティブの発音はちゃんと耳に入っていく。むしろ親が肩の力を抜いて、聞こえた音を一緒にまねっこして遊ぶくらいが、ちょうどいいんです。
ちなみに、こうした毎日のかけ流しは、英検5級のリスニングにそのまま役立ちます。5級では、数字・曜日・時刻といった身近な情報の聞き取りがよく出るので、ふだんから英語の音に親しんでいる子ほど、すっと得点につながりやすいんです。
- 学年別のおすすめソングは小学生向け英語の歌23選で紹介しています。
- 無料で毎日続けやすいラジオ学習ならNHKラジオで小学生の英語学習が参考になります。
リスニングの素材選びと「正しい聞き方」は、小学生の英語リスニング|学年別おすすめと正しい聞き方で学年別にくわしくまとめています。
② 読む・音読:文字と音をつなげる
聞く力がついてきたら、次は「読む」へ。とはいえ、いきなり長い文章を読ませる必要はありません。最初は、絵本やプリントで「文字」と「音」をつなげることからスタートします。
おすすめは音読。短い英文を声に出して読むことで、目で見た文字と、耳で覚えた音がだんだん結びついていきます。英語の絵本は、絵が意味のヒントになってくれるので、初めての音読にぴったり。1日1ページ、いえ、1文からでも十分です。
絵本選びで迷ったら、「短くて・絵が多くて・くり返しの多い」ものを目安にしてみてください。文字をすべて追えなくても、絵を見て話の流れがつかめる本なら、子どもは「読めた」という手応えを持ちやすいもの。そして、同じ本を何度もくり返すのも、実はとても効果的。新しい本を次々に与えるより、お気に入りの一冊をボロボロになるまで読むほうが、英語の言い回しはずっと深く根づいていくんです。
家庭での音読には、ちょっとしたコツがあります。
- ゆっくり、はっきり読む(速さより、はっきり言えることを優先)
- 一文ずつ区切る(ピリオドで一息つく)
- 意味を考えながら読む(「これは何の話かな?」と想像しながら)
- 間違えても、大きな声で(完璧じゃなくていい、声に出すことが大事)
完璧に読めなくても、声に出すだけで力がつきます。家庭学習用のプリントを使えば、「読む」と「書く」を一緒に練習できるので、高学年の基礎づくりにもうってつけです。
- 家庭で取り組める問題プリントは小学生の英語プリント・問題集にまとめました。
③ 語彙・問題演習:単語は「1個ずつ」覚えない
英語といえば単語の暗記、と思われがちですが、家庭学習では「単語帳をひたすら書いて覚える」やり方はおすすめしません。小学生にはハードルが高く、英語ぎらいの大きな原因にもなりがちだから。
代わりに役立つのが、単語を「グループ(かたまり)で覚える」方法です。たとえば「weekend(週末)」という言葉を覚えるとき、単語だけを切り取るのではなく、週末にすることをまるごとイメージでつなげていきます。「play with my friends(友達と遊ぶ)」「go to the park(公園に行く)」「do my homework(宿題をする)」——こんなふうにフレーズのまとまりで覚えておくと、頭の’I’をつけるだけで「I play with my friends.」と、そのまま文が作れてしまうんです。単語1個ずつより、ずっと使える形で記憶に残ります。
そして、問題を解く中で覚えるのも効果的。プリントやクイズに何度も取り組むうちに、同じ単語にくり返し出会い、自然と頭に定着していきます。「この単語、さっきも出てきたな」と気づいたら、そこからお子さん専用の単語ノートを作っていくのもおすすめ。スペルを完璧に書けなくても、まずは「読めて、聞いて、意味がわかる」状態を目指せば十分です。クイズ形式なら、ゲーム感覚で楽しく続けられるので、英語ぎらいの子にも入りやすいでしょう。
- 楽しく語彙を増やせる小学生向け英語クイズや、英語プリント・問題集を活用してみてください。
④ 話す・やりとり:覚えた英語を「使う」場面を作る
インプット(聞く・読む)だけでなく、覚えた英語を実際に「使う」場面を家庭で作ること。これが、話す力を育てます。
えいごの実の指導では、覚えた英語を家庭で「使う」場面づくりを大切にしています。さきほどの「グループで覚える」とつながる話で、覚えた瞬間から会話で使える形にしておくと、英語がぐっと身近になるんです。家庭では、たとえば朝のあいさつを英語にしてみる。夕食のときに「Are you hungry?」と聞いてみる。親子で「好きな色は?」「好きな動物は?」と英語で質問し合う。それだけで、立派なアウトプット練習になります。
遊びの中に英語を混ぜるのも効果的。トランプやすごろくをしながら数字を英語で数えたり、キャッチボールをしながら単語を言い合ったり。「英会話」と構えなくても、日常の会話に英語をちょっと足すだけで、子どもは自然と口を動かすようになります。間違いを直すより、口に出せたことをほめてあげるのが、話す力を伸ばすいちばんのコツ。
恥ずかしがって、なかなか声を出さない子もいます。そんなときは、無理に言わせようとしないこと。親が一人で英語のひとりごとをつぶやいてみせたり、好きなキャラクターのセリフをまねたり——「自分も言ってみたいな」と思える雰囲気を、まわりがそっと作ってあげる。話すことへのハードルは、楽しい空気の中でこそ、少しずつ下がっていくものなんです。
- 親子で使える質問のやりとりは小学生と英語で質問し合うコツで紹介しています。
- 「うれしい」「楽しい」など気持ちを英語で言う練習には気持ちを英語で表現する方法も参考に。
+α テスト・成績への備え
高学年になると、学校の英語テストや成績も気になりはじめます。とはいえ、特別な対策を構える必要はありません。日々の家庭学習が、そのままテスト対策になっていくからです。聞く・読む・語彙・話すの4つをバランスよく続けていれば、テストにもしっかり対応できる力が育ちます。具体的なコツは小学生の英語テスト対策のコツをご覧ください。
家庭学習のゴールに「英検5級」を据えよう
家庭学習を続けていると、ふと「これでちゃんと伸びてるのかな?」と不安になることがあります。そんなときに頼りになるのが、目に見えるゴールを置くこと。そのゴールとして、ぜひ英検5級をおすすめします。
えいごの実では、家庭学習のゴールの一つに英検5級を据えています。理由は、英検の級が「英語のレベルを測る、わかりやすい物差し」になるから。今どのくらいできていて、次に何を目指せばいいのかが、級という形ではっきり見えるんです。漠然と「英語をがんばろう」より、「5級に合格しよう」のほうが、子どもも親も走りやすい。合格という成功体験は、「英語、できるかも」という何よりの自信になります。

英検をゴールに置くメリットは、子どもの自信だけではないんです。級を取っておくと、中学・高校に上がってから、内申や入試で評価される場面が出てくることもあり、進路の選択肢をそっと広げてくれます。ただし、ここで一つ注意したいのが、級そのものにこだわりすぎないこと。点数や合否に親が一喜一憂すると、子どもは英語そのものを嫌いになってしまいます。あくまで家庭学習を楽しく続けるための「にんじん」くらいに、気軽に活用するのがちょうどいい使い方なんです。
ここで、5級・4級・3級がどんな級なのかを、内容で見ておきましょう。レベルのイメージがつかめると、家庭学習のゴール設定がぐっとしやすくなります(各級の詳しい目安は英検「各級の目安」(日本英語検定協会)も参考に)。
5級は、英語の入門級。家・食べ物・学校・曜日といった身近な単語(およそ600語ほど)と、be動詞や現在進行形(〜している)のような基本の形が中心です。リスニングと筆記で構成され、過去形のような難しい文法はまだ出てきません。録音式のスピーキングテストもありますが、その結果は5級の合否には影響しません。まずは筆記とリスニングに集中して大丈夫。取り組みやすく、最初の合格体験を作りやすい級です。
小学生がはじめて英検を受けるなら、まずはここから。小学6年生のはじめての挑戦でも、5級スタートで大丈夫です。もう一つ、小学生にうれしいのが、5級の問題冊子はすべてふりがな付きということ。漢字がまだ読めない低学年でも、問題文を自分の力で読めます。ただ、多くの子にとっては5級が初めてのマークシート。本番であわてないよう、家庭でぬりつぶしの練習を一度しておくと安心です。
4級になると、はじめて短い長文を読む問題が登場し、過去形が本格的に出てきます。覚える単語の量も、5級の倍ほど(およそ1,300語ほど)に増えます。5級が「英語にトライする級」なら、4級は「基礎力をじっくり固める級」。少し根気がいる級なので、あせらず進めるのがコツです。
3級では、英作文(ライティング)と、面接官と対面で話す二次試験が加わります。中学英語の土台になる級で、小学6年生までに3級を目指すのが一つの目安。ここまで来ると、中学に上がってからの英語が、ぐっとラクになります。
家庭学習では、まず5級という到達しやすいゴールを置き、合格という成功体験を作ってあげること。それが自信になり、4級・3級へと自然につながっていきます。実際、はじめは点数に届かなくても、何度か挑戦するうちに合格をつかむ子はたくさんいます。点数の高い低いより、「英検にトライして、受かる体験をする」こと自体に大きな価値があるんです。
なお、5級の前段階として、英検Jr.(ブロンズ・シルバー・ゴールド)というリスニング中心のテストもあります。こちらは合否ではなく正答率で結果が出るので、英検そのものの前のウォーミングアップとして活用するご家庭も。
そして長い目で見れば、小学6年で3級、中学2年で準2級・2級、というように級を一段ずつ上げていく道筋も描けます。小学生のうちに3級まで届いていれば、中学英語のスタートで大きなアドバンテージになるでしょう。とはいえ、まずは目の前の5級から。一歩ずつで十分です。
なお、えいごの実では、5級・4級・3級それぞれの対策コンテンツを順次公開していく予定です。級ごとのくわしい進め方は、公開しだいこの記事からもご案内します。まずは家庭学習で語彙とリスニングの土台を作りながら、5級の問題に少し触れてみるところから始めてみましょう。
- 英検5級レベルの語彙や問題に触れるなら、小学生向け英語クイズや英語プリント・問題集が入口にぴったりです。
続けるための3つのコツ
家庭学習でいちばん難しいのは、始めることよりも「続けること」。最後に、無理なく習慣にするコツを3つお伝えします。
1日5〜10分でいい。小学生の集中力は、そう長くは続きません。「毎日30分」より「毎日5分を必ず」のほうが、結果的にずっと長続きします。歌のかけ流しなら、家事のついでに流すだけでもOK。時間のハードルは、できるだけ低く設定しておきましょう。
時間と場所を決めて、ルーティンにする。「お風呂のあとは英語の歌」「夕食前にクイズ1問」というように、生活の中の決まった場面に英語を組み込むと、歯みがきのように自然と続きます。新しい習慣は、既にある習慣にくっつけるのがコツ。学習しやすい環境を、家の中にそっと整えてあげてください。
親は「ジャッジ」より「応援団」に。間違いを正すより、「読めたね」「覚えてたね」と、小さなできたをほめる。お父さん・お母さんが一緒に楽しんでいる姿こそ、子どもにとって何よりの動機になります。焦らず、比べず、見守りながら、「少しずつできた」を積み重ねていきましょう。英語の家庭学習は、短距離走ではなくマラソン。ゆっくりでいいんです。
よくある質問(FAQ)
- 家庭学習は1日どのくらいやればいい?
-
小学生なら、1日5〜10分で十分です。長時間まとめてやるより、短くても毎日続けるほうがずっと効果的。歌のかけ流しのような「ながら学習」も、立派な家庭学習に入ります。まずは無理のない時間から、生活の中に少しずつ組み込んでいくのがおすすめ。
- 教材は何を使えばいい?無料でもできる?
-
無料でも十分にはじめられます。英語の歌の動画、NHKのラジオ英語番組、家庭学習用のプリントやクイズなどが手軽。慣れてきたら、英語の絵本や市販のドリル、学習アプリを補助に加えると幅が広がります。最初から教材をそろえすぎず、続けられるものから始めるのが失敗しないコツです。
- 塾やオンライン英会話は必要?家庭学習だけで足りる?
-
小学生のうちは、家庭学習だけでも英語の土台は十分に作れます。大切なのは、触れる回数と「楽しい」という気持ち。家庭で英語に親しむ習慣ができていれば、後でスクールに通うことになっても、その効果がぐっと高まります。まずは家庭でできることから始めてみてください。
- 英検は何級から受ければいい?
-
はじめて受けるなら、いちばんやさしい入門級の5級からがおすすめ。小学6年生のはじめての挑戦でも、5級からで問題ありません。身近な単語と基本の形が中心で、過去形のような難しい文法はまだ出てこないので、家庭学習の最初のゴールにぴったりです。
- 英語を嫌がる・苦手なときはどうすれば?
-
まずは「勉強」から離れて、好きなものから入りましょう。歌・クイズ・ゲームなど、楽しめる形なら抵抗感がやわらぎます。できないことを指摘するより、できたことをほめるのが回復への近道。詳しくは英語が嫌いな小学生への接し方も参考にしてみてください。
- 中学受験を考えています。英語の家庭学習や英検は役立ちますか?
-
役立つ場面は多いです。近年は英語入試を取り入れる中学校が増えており、英検の級を出願や加点に活用できる学校もあります。小学生のうちに英検3級あたりまで届いていれば、中学進学後の英語がぐっとラクになるケースも少なくありません。ただし、入試の方式は学校ごとにさまざまなので、志望校の募集要項を早めに確認しておくと安心です。
- 英語の家庭学習は何年生から始めればいい?
-
早すぎることも、遅すぎることもありません。低学年なら歌や音から、中学年なら聞く・話すから、高学年なら読み書きと英検へ、と入り口が学年で少し違うだけ。思い立った今日が、その子にとっての始めどきです。
まとめ:家庭学習は「順番・継続・英検ゴール」の3つで回る
小学生の英語の家庭学習について、やり方を整理してきました。最後に、大切な3つの柱に立ち返ります。
- 学年に合った順番でやる。低学年は音に親しみ、中学年は聞く・話すに慣れ、高学年は読み書きと中学準備へ。家庭で育てる4つの力(聞く→読む→語彙→話す)も、この順番がゆるやかな目安。単語は1個ずつでなく、グループで覚えるのがコツ。
- 毎日少しずつ続ける。学校の英語は3・4年で外国語活動、5・6年で教科に。足りない分は家庭の積み重ねで補える。続けるコツは「1日5〜10分・ルーティン化・親は応援団」の3つ。家庭学習は短距離走ではなくマラソン。
- 「英検5級」という見えるゴールを置く。見える目標が、家庭学習に張りを生む。5級はいちばんやさしい入門級で、小6のはじめての挑戦でも届く。そしてこの5級は、小6で3級を目指す道筋の最初の一歩。
英語の家庭学習に、特別な才能も高い教材費もいりません。今日の夜、好きな英語の歌を1曲かけてみる——その小さな一歩が、お子さんの「英語、好きかも」につながっていく。まずは英検5級というゴールを心の片隅に置きながら、無理なく、楽しく始めてみましょう。

