「5級には受かったけれど、4級はどのくらい上がるんだろう」「小学生のうちに受けるには早すぎないだろうか」——英検4級を調べはじめた保護者の方が最初にぶつかるのは、この「レベル感のつかみにくさ」です。
検索すると、中学2年生レベルと書いてある記事もあれば、CEFRの段階に当てはめている記事もある。数字も表現もそろわないまま、判断だけが宙に浮いてしまうのです。
この記事では、英検4級のレベルを、単語・文法・長文・リスニングで具体的に何が変わるかという中身から説明します。そのうえで、何年生レベルという言い方をどう受け止めればよいのか、公文やCEFRとの関係はどうなっているのか、そしてお子さんの今の位置を家庭で確かめる方法までを整理しました。
結論:公式の表現は「中学中級程度」。学年ではなく理解度ではかる
英検4級のレベルとして英検協会が示しているのは、中学中級程度という表現ひとつだけです。学年での言い切りも、他のテストへの換算も、公式には存在しないのです。
中身に翻訳すると、5級で覚えた単語に、過去形をはじめとする新しい文法が乗り、そこにまとまった長さの英文を読む問題と、絵の助けなしで聞き取るリスニングが加わる。この4つが同時に来るのが4級というレベルです。
だから判断の軸は、お子さんが何年生かではなく、この4つにどこまで手が届いているか。測り方は簡単で、公式サイトの過去問を1回分やってみればわかるのです。順に見ていきましょう。
「中学中級程度」とは、具体的にどのくらいなのか

単語:目安は5級のおよそ2倍以上
4級で必要になる単語の目安は約1,300語。5級の約600語と比べると、2倍以上に増えます。ただし、この語数は市販の教材などが示している目安で、英検協会が公表した数字ではありません。
数字よりも大事なのは、試験中の体感のほうです。5級では「読めない語があっても前後で見当がつく」場面が多いのに対し、4級では知らない語がそのまま失点につながりやすくなる。増えた分を、学校の授業で出会う語と、英検で出やすい語とに分けてとらえると、見通しが立ちやすくなります。
どんな語が増えるのかは、英検協会が公表している4級の場面・題材を見るとつかみやすくなります。話題として並んでいるのは、家族・友達・学校といった身近なものに加えて、趣味、旅行、買い物、スポーツ、食事、天気、道案内、休日の予定、近況報告、海外の文化など。場面のほうも、家庭や学校だけでなく、店舗や公共施設といった地域、電話、アナウンスまで含まれます。身近な話題から、買い物・旅行・道案内まで広がる。単語が増える方向は、この一言でつかめます。
文法:単元が増えるのではなく、判断が増える
4級で新しく入るのは、過去形・過去進行形、未来形(will と be going to)、比較級・最上級と as 〜 as、to 不定詞と動名詞、助動詞の must / have to / could / may、接続詞、そして get や take のように場面で意味が変わる動詞です。学校の教科書でいえば、中学1年生の終わりごろから2年生にかけて出てくる項目が中心になります。how many や how long のような疑問詞の発展形と、mine や myself といった代名詞は、これとは別に、4級向けの本が特に取り上げている項目です。
ここが4級のレベルを決めている部分なのですが、本質は単元の数ではないのです。5級は形を覚えていれば選べる問題が中心だったのに対し、4級は「これはいつの話か」「どちらが大きいか」を先に判断してから形を選ぶ問題になる。判断が一段はさまるぶん、うろ覚えが通用しなくなります。
なお、現在完了・受動態・関係代名詞の単元は、4級向けの対策本の文法の章にはなく、3級向けの本で扱われています。中学英文法の本を1冊まるごと進める必要はない、ということでもあるのです。
4級で新しく出る文法の一覧と、学ぶ順番の手がかりは、英検4級の文法の範囲にまとめています。
長文:読む量よりも、読み方が3通りに分かれる
4級から加わる大問4は10問。英文は掲示・案内、Eメール(手紙文)、説明文の3タイプです。
見落とされがちなのは、この3つで求められる読み方が違うことです。掲示・案内は日付や料金を「探す」読み方、Eメールは誰が誰に何を伝えているかを「追う」読み方、説明文は最初から最後まで「通して」読む読み方。5級には長文そのものがなかったので、ここは経験値ゼロから始まります。4級のレベルを一段高く感じさせているのは、単語量よりもむしろこの部分でしょう。
この3つを実際に解いて確かめるなら、英検4級の無料問題(長文編・第1回)に、掲示・案内、Eメール、説明文がそれぞれ入っています。合計10問で、答えと解説は各問のすぐ下。
リスニング:最後のパートから絵が消える
リスニングは約30分・30問で、第1部から第3部まで各10問。英文はすべて2回ずつ放送されます。この「2回ずつ」は5級と変わらないので、心強い足場として覚えておいてください。
変わるのは第3部です。5級の第3部はイラストを見ながら3つの選択肢から選ぶ形でしたが、4級ではまとまった英文を聞いて、印刷された4つの選択肢から選ぶ形に変わります。絵という手がかりがなくなり、聞いた内容を頭の中に保持したまま選ぶ。第2部も5問から10問へ倍増。耳の負担で言えば、ここが5級との最大の差です。

5級とはどこが違い、3級まではどのくらい離れているのか
5級から4級へ:4つの方向に一段ずつ
5級と4級を並べると、違いは4つの方向に分かれます。
| 変わる方向 | 英検5級 | 英検4級 |
|---|---|---|
| 読む量 | リーディング25分・25問(大問3つ) | リーディング35分・35問(大問4つ・長文が新登場) |
| 聞く質 | 約20分・25問/第3部はイラストで3択 | 約30分・30問/第3部はまとまった英文で4択 |
| 持久力 | 一次は合計50問 | 一次は合計65問 |
| 語順の問題 | 並べ替えは1番目と3番目の組合せ | 並べ替えは2番目と4番目の組合せ |

合格に必要な得点の割合も、5級より上がります。マークシート方式も、英文が2回ずつ流れることも、対面の面接がないことも5級と同じなので、試験そのものの手ざわりは変わらないまま、中身だけが一段重くなると考えておくとよいでしょう。5級のレベル感をもう一度確かめたい場合は、英検5級のレベルと合格点が物差しになるはずです。5級全体の見取り図は英検5級の総合ガイドにまとめました。
4級から3級へ:ここで初めて「書く」と「話す」が入る
先の見通しも持っておくと、4級の位置がはっきりします。3級のレベル目安は中学卒業程度。4級との差は、現在完了・受動態・関係代名詞といった文法が加わることに加えて、ライティング(Eメールと意見論述)と対面の面接が新しく入ることです。CEFRとの対照も、3級から始まります。
つまり4級は、選択式のマークシートだけで完結する最後の級。書く・話すが評価に入る前に、読む力と聞く力を仕上げておく段という位置づけになるわけです。3級の対策記事は、順を追って公開していく予定です。
何年生レベル?——公式は学年を決めていない

「中学2年生レベル」と紹介されることが多い理由
英検には、受験できる学年や年齢の制限がありません。そして英検協会が示しているレベル表現は、先ほどの中学中級程度だけ。学年での言い切りは公式には存在しないのです。
それでも中学2年生レベルという言い方が広まっているのは、先ほど挙げた文法の単元が、学校の教科書でいうと中学1年生の終わりから2年生あたりに並んでいるからです。目安としては役に立ちます。ただし同じ単元でも、学校の授業で扱う深さと英検での出され方は違います。学年に当てはめた瞬間、「まだ中2じゃないから無理」という誤った結論が出てきてしまうのが、この言い方のこわいところです。
受験者が何年生に多いのかという内訳も、英検協会は公表していません。学年の平均に合わせにいこうとしても、合わせにいく先の数字がそもそも存在しない、ということです。
教室では、学年ではなく理解度で時期を決めてきました
えいごの実のレッスンで大切にしてきたのは、周囲の子と比べることではなく、本人がどこまで理解できているかで受験の時期を決めることです。ひとつの級にじっくり取り組み、自信がついてから次の級へ。実際に、小学5年生で5級、小学6年生で4級、そして中学3年生で3級と、順に積み上げて合格した生徒がいます。
注目してほしいのは、5級と4級のあいだで学年がひとつ進んでいることです。5級に受かった翌月に4級へ、ではありません。間をあけて土台を厚くした結果として、4級のレベルに届いたという順番でした。同時に、本人が「受けてみたい」と思えるまで待つことも、教室では大切にしてきました。
実際、教室で5級に合格した学年は、小学1年生から6年生までばらばらです。「5級は小◯年生で受けるもの」という単一の正解は、現場にも存在しません。それまでに積んできた英語の量と中身で、受けどきは一人ひとり変わります。小学生が英語を始める時期そのものは小学生の英語はいつから始めるか、5級の受験学年の考え方は英検5級は何年生から受けるかが詳しいです。4級を何年生で受けるかという時期の話は、別の記事であらためて掘り下げる予定です。
小学生には難しい?つまずくのは、だいたい3か所
4級では、必要な単語が増えるうえに、文法もしっかり理解していないと解けない問題が出てきます。とくに英会話を軸に学んできたお子さんには、5級からのステップが大きく見えることがあります。難しさの正体は、次の3つです。
1. 語彙の量——知らない語が出てくる回数が増えます。家でできる一手は、単語帳を1冊まるごと覚えさせようとせず、解いた問題の中で詰まった語だけを書き出した、その子専用の小さな単語帳を作ること。量が見えると、子どもは手をつけやすくなるものです。
2. 文法を理屈で理解すること——be動詞と一般動詞の使い分けを規則として説明すると、小学生には難しくなります。家では I am、You are のように形のまま声に出して覚えるほうが早い。過去形も同じで、不規則変化を全部覚えにいくのではなく、解いた問題に出てきた語だけを拾って積み上げるほうが確実です。
3. 長文を最後まで読み切ること——大問4は、5級の経験がそのまま使えない場所です。いきなり一次1回分を通しで解かせると、集中が切れたところで力を測り損ねる。まずは長文1本だけを区切って解き、リスニングと組み合わせて短い単位で進めると、最後まで走りきれるようになります。
逆に言えば、この3つに手が入っていれば、小学生でも4級のレベルには届きます。難しいのは学年ではなく、この3か所なのです。
公文・チャレンジイングリッシュ・TOEIC・CEFRでいうとどのくらい?
「うちの子は公文で英語をやっているけれど、英検4級のレベルには届いている?」という問いは、とてもよく検索されています。ここは、はっきりさせておきたい部分です。
まずCEFRについて。英検協会は、4級と5級をCEFRの算出範囲外としていて、成績表にもCEFRのレベルは表示されません。4級をCEFRのどこかに当てはめている記事を見かけますが、それは協会の運用とは別のものです。CEFRとの対照が始まるのは3級から。
TOEICなどへの公式な換算も存在しません。英検協会が公表している換算表はないので、第三者が作った対応表を根拠に「4級ならTOEIC◯点くらい」と考えるのは、判断材料としては弱いのです。
公文や通信教材の「英検◯級相当」という表示は、各社が自社の教材の進度を示すために置いている目安です。えいごの実では、こうした表示と英検の級を数値で対応させる表は作りません。教材ごとに基準が違うものを1本の物差しに並べると、かえって現在地がぼやけてしまうからです。
では何で測るのか。答えはひとつで、4級の問題そのもので測るのがいちばん速くて確かです。
うちの子のレベルが足りているか、家庭で確かめる方法

公式の過去問を1回分、時間を計って解く
英検協会の公式サイトでは、直近の回の過去問が無料で公開されています。問題冊子・リスニングの原稿・音源・解答がそろっているので、これを使えば費用はゼロです。入手のしかたと家庭での使い方は、英検4級の過去問の出題傾向と使い方にまとめてあります。
やり方のこつは2つ。ひとつは時間を計ること。リーディング35分、リスニング約30分という条件で解かないと、レベルの判定になりません。もうひとつは、採点したあとに大問ごとの正答数を並べること。合計点だけを見ても、次に何をすればよいかは出てこないからです。
なお、合否そのものはCSEスコアという指標で判定され、4級の合格基準スコアは1000点満点中622点の固定値です。しくみと成績表の読み方は英検4級の合格点と成績表の見方にまとめました。
「どこで止まったか」で、足りないものが決まる
大問ごとに見ると、必要な手当てはかなり具体的になります。
| 止まった場所 | 足りていないもの | 次にやること |
|---|---|---|
| 大問1(短文の語句空所補充) | 単語・熟語の量 | 詰まった語を書き出して積み上げる |
| 大問2(会話の空所に合う文や語句を選ぶ) | 会話でよく使う言い回し | 会話表現をまとめて確認する |
| 大問3(語句整序) | 語順の感覚 | 日本語の意味から語順を組む練習 |
| 大問4(長文) | 読み切る体力と読み分け | 3タイプを1本ずつ時間を計って |
| リスニング第1部・第2部 | 会話の聞き取り | 音源のあとに内容を言い直させる |
| リスニング第3部 | まとまった英文の保持 | 絵の助けなしで聞く練習を足す |
大問1と2でほとんど止まらないのに大問4だけ崩れるなら、それは語彙不足ではなく読み方の問題。逆に全体的に取りこぼすなら、まだ単語の段階です。同じ「レベルが足りない」でも、処方箋は正反対になります。
この見方のいいところは、合格か不合格かという1点の判定にしないで済むところ。合計点は同じでも、次の1か月にやることはまったく違ってきます。
土台があやしいときは、5級に戻って確かめる
4級の過去問がまったく歯が立たない場合は、5級の内容が定着しているかを先に見ます。えいごの実の英検5級の無料問題で、まずは土台を確かめてみてください。4級の問題シリーズも、順次公開していく予定です。
レベルが足りないと感じたときの進み方
過去問を解かせてみて「まだ遠い」と感じたとしても、それは4級に向いていないという意味ではありません。今は英検の対策ではなく、土台を厚くする時期だというサインとして読むのが実際的です。
えいごの実でも、5級のあとすぐには4級へ進まず、英会話のレッスンを1〜2年続けて、聞く・話すを中心に英語の力全体を伸ばしてから英検に戻った生徒がいます。英検のためだけの勉強を急がず、力がついてきたところで挑戦する、という考え方です。学習の順番そのものは、英検5級の勉強法の考え方がそのまま使えるはずです。
そのうえで、受けるのか、待つのか、いっそ4級を飛ばすのか。この3つの判断軸は英検4級の全体ガイドで詳しく整理しているので、迷ったらそちらを見てください。
最後にひとつ。レベルが足りているかどうかは、受けてみること自体が答えになる場合もあります。教室では、受かるかどうかにかかわらず、受けること自体が第一歩だと伝えてきました。1回受ければ、どこが足りないかは成績表がはっきり教えてくれるのです。
よくある質問
- Q. 英検4級は中学何年生レベルですか?
-
英検協会が示しているのは中学中級程度という表現だけで、学年での言い切りはありません。中学2年生レベルと紹介されることが多いのは、4級で出る過去形・比較・不定詞・動名詞・助動詞といった単元が、学校の教科書だと中学1年生の終わりから2年生あたりに並んでいるためです。目安としては使えますが、学年で受験の可否を決める材料にはなりません。
- Q. 英検4級は小学生には難しいですか?
-
難しさが集まるのは、語彙の量、文法を理屈で理解すること、長文を最後まで読み切ることの3つです。逆に言えば、この3か所に手が入っていれば小学生でも十分に届く級。学校でまだ習っていない単元が含まれていても、それ自体は障害になりません。
- Q. 5級に受かったら、4級のレベルには届いていますか?
-
5級合格は前提であって、到達ではありません。4級には長文読解と新しい文法という、5級では一度も出てこなかった領域があるからです。5級に受かった直後に4級の過去問を解くと、形式がいちばん変わる大問4とリスニング第3部でつまずきやすくなります。その差をどう埋めるかが、4級までの距離です。
- Q. 英検4級はCEFRやTOEICでいうとどのくらいですか?
-
4級と5級はCEFRの算出範囲外とされていて、成績表にCEFRのレベルは表示されません。TOEICなどへの公式な換算表も存在しないため、他のテストに置き換えて考えるより、4級の過去問を1回分解いてみるほうが、現在地は正確につかめるはずです。
- Q. うちの子が4級のレベルに届いているか、確かめる方法はありますか?
-
公式サイトで無料公開されている過去問を1回分、リーディング35分・リスニング約30分の時間を計って解いてみてください。採点したら、合計点ではなく大問ごとの正答数を並べます。どの大問で止まったかで、次にやるべきことが決まります。
まとめ
英検4級のレベルについて、押さえておきたいのは次の5点です。
- 公式の表現は中学中級程度のひとつだけ。中身は、単語が5級の2倍以上に増え、過去形などの新しい文法が入り、長文読解が加わり、リスニング第3部から絵の助けがなくなること
- 5級との差は4方向。読む量・聞く質・持久力・語順の問題がそれぞれ変わり、合格に必要な得点の割合も上がる
- 学年で決めない。受験できる学年の制限はなく、受験者の学年の内訳も公表されていない。決め手になるのは理解度のほう
- 他のテストへの換算はしない。4級と5級はCEFRの算出範囲外で、TOEICなどへの公式な換算表も存在しない
- 測るなら公式の過去問1回分。時間を計って解き、大問ごとの正答数を並べれば、足りないものは自然に見えてくる
まずは1回分、解かせてみるところから。そこで見えた手ごたえが、受けるか、もう少し待つかを決めるときの、いちばん頼りになる判断材料です。

